循環器内科
循環器内科

循環器内科は、心臓や血管など「血液の流れ」に関わる臓器の病気を診断・治療する診療科です。代表的な疾患には、高血圧症、狭心症・心筋梗塞、不整脈、心不全、心臓弁膜症、大動脈疾患、末梢動脈疾患などがあります。これらは動脈硬化や生活習慣と深く関係しており、早期発見・早期治療が重要です。循環器疾患は、胸の痛み・圧迫感、動悸、息切れ、むくみ、めまい、失神などの症状として現れることがあります。症状が軽くても重大な病気が隠れている場合があるため、気になる症状があれば早期の受診が大切です。
以下に循環器でよく見られる症状を挙げています。お悩みの際は当院へお気軽にご相談ください。
循環器の病気が起こる背景には、いくつかの代表的な原因があります。
次のような症状に心当たりのある方は、循環器内科での検査をおすすめします。
これらの症状は一過性で治まることもありますが、重大な病気の前触れである場合も少なくありません。「年齢のせいかな」「疲れているだけかも」と放置すると、重篤な病気につながることがあります。特に胸の痛みや息切れは、狭心症や心筋梗塞、心不全などのサインである可能性があり、早期の受診が必要です。些細な症状でも一度ご相談ください。
血圧が慢性的に高い状態が続く病気です。年齢や合併症により基準は異なりますが、一般的には診察室140/90 mmHg以上、家庭135/85 mmHg以上の状態を指します。自覚症状がほとんどないまま進行することが多く、放置すると脳卒中や心筋梗塞、腎臓病などの重大な病気を引き起こす原因になります。治療は、生活習慣の改善を基本とし、必要に応じてお薬による治療を行います。早期発見と継続的な管理が大切です。
高血圧症は本態性高血圧と二次性高血圧に分けることができます。一般的に言われる高血圧症は本態性高血圧を指し、発症には生活習慣が大きく関与しており、過剰な塩分摂取や肥満、ストレス、遺伝的要因などが原因となります。二次性高血圧は原因を特定できる高血圧症を指し、特に「①若年・壮年発症の高血圧、②急速に進行する高血圧、複数の薬剤でもコントロール不良の高血圧(難治性高血圧)、血圧変動の激しい高血圧、③電解質(ナトリウム、カリウム等)異常を伴う高血圧、④心肥大や腎機能障害などの臓器障害の進行が早い高血圧」の場合に疑います。まずは、採血等によりスクリーニングを行います。その他、睡眠時無呼吸症候群による影響や薬(解熱鎮痛薬など)による高血圧もあります。
初期には自覚症状がほとんどなく、気づかないうちに進行するのが特徴です。まれに頭痛・めまい・肩こり・動悸などを感じることがありますが、放置すると血管に常に高い圧力がかかるため、徐々に血管が傷つき、動脈硬化が進行します。その結果、心血管疾患・脳卒中・腎臓病などの重い合併症を引き起こすリスクが高まります。早期発見・早期治療が重要で、食事・運動などの生活習慣の見直しや薬によるコントロールを行います。
「高血圧管理・治療ガイドライン」が2025年8月に改訂されました。主な改訂点として、(1)降圧目標が合併症などを考慮し全年齢「診察室血圧130/80mmHg未満、家庭血圧125/75mmHg未満」に統一され、(2)降圧薬選択におけるβ遮断薬(ビソプロロール、カルベジロール)の復活、(3)治療の早期介入と治療ステップ、(4)治療アプリの活用などがあります。一方で、一律に下げるのではなく、副作用や有害事象に注意しながら患者さま毎に目標値を定めることも重要であり、専門医による管理が必要です。その上で、低・中等リスクの場合は生活習慣の改善を実施して1ヵ月以内に再評価を行い、改善がなければ改善の強化とともに薬物治療を開始し、高リスクの場合は生活習慣の改善とともにただちに薬物療法を開始するなど、個別性を考慮した管理を行います。高血圧治療補助アプリは成人の本態性高血圧症の治療補助として2022年9月1日に保険適用されており、興味のある方は是非ご相談ください。
心臓に酸素や栄養を送る冠動脈が動脈硬化によって狭くなり、血流が不足する病気です。狭心症は、運動時や階段の昇降、寒さ・ストレスなどで胸が締め付けられるような痛みや圧迫感が出るのが特徴で、数分程度で治まることが多いですが、繰り返す場合は特に注意が必要です。
一方、心筋梗塞は冠動脈が完全に詰まり、心臓の筋肉が壊死してしまう危険な病気です。強い胸痛が30分以上続き、冷や汗・吐き気・呼吸困難を伴うことがあります。発症後の時間が命に関わるため、速やかな救急対応が必要です。
狭心症・心筋梗塞ともに胸から左肩、腕、首、あごへの放散痛を認めることもあります。
※症状には個人差があり、特に高齢者や糖尿病の方では症状が軽い場合や症状を感じない(無痛性)場合もあるため注意が必要です。
症状や状態に応じて血液検査や心電図検査、心エコー図検査などを行い、必要に応じて専門医療機関と連携し、CT検査やカテーテル検査を行うために紹介を行います。
治療法としては、病態に合わせて、薬物療法、カテーテル治療(ステント留置など)、外科的手術(バイパス術など)、生活習慣の改善(食事・運動療法、禁煙、高血圧・脂質異常症・糖尿病などのリスク因子の管理など)を行います。
「胸が苦しい・痛い」、「いつもと違う違和感がある」など、少しでも気になる症状がある場合は、我慢せずに早めにご相談ください。
脈が速すぎる(頻脈)、遅すぎる(徐脈)、あるいは不規則になるなど、心臓のリズムに異常が生じた状態を指します。代表的なものに心房細動・期外収縮・房室ブロックなどがあります。動悸・胸の違和感・息切れ・めまい・失神などの症状を伴うことがありますが、無症状のまま健診で見つかる場合もあります。一部の不整脈(特に心房細動)は、心臓内に血の塊(血栓)ができて脳梗塞の原因になることがあるため、抗凝固療法やカテーテル治療が必要になることもあります。
症状や不整脈の種類に応じて、血液検査、心電図検査、ホルター心電図(長時間心電図検査)、心エコー図検査を行い、より詳しい検査や治療が必要な場合は専門医療機関と連携します。
治療法としては、不整脈の種類や頻度・症状・年齢・基礎疾患などを考慮して治療方針を決定します。無症状で治療の必要がない不整脈は定期的なフォローによる経過観察を行います。一方で、有症状の場合や基礎疾患を有する場合などは、薬物療法やカテーテル治療、デバイス治療(ペースメーカなど)などを行います。
日常生活においては、十分な睡眠やストレスの管理、アルコール・カフェインの摂取量に注意し、徹底した基礎疾患(高血圧・糖尿病など)の管理を行います。
早期発見・適切な対応が大切です。気になる症状があれば、お気軽にご相談ください。
心臓のポンプ機能が低下し、全身に十分な血液を送れなくなる状態をいいます。急に起こる場合(急性心不全)と、徐々に悪化する慢性的なタイプ(慢性心不全)があります。初期には「少し動くと息が切れる」「体がだるい」「むくみが取れない」などの軽い症状ですが、進行すると夜間の呼吸困難や体重の増加、胸水・腹水がたまるなど重い状態になります。原因は高血圧・心筋梗塞・弁膜症・不整脈など多岐にわたり、原因治療とともに、塩分制限や利尿薬などで症状をコントロールします。
症状や病状に応じて、血液検査(NT-proBNPなど)や心電図検査、心エコー図検査、胸部レントゲン検査などを行い、必要に応じて専門医療機関と連携し、精密検査が必要です。
心不全は継続的な治療と管理が必須であり、病状に応じて治療を行います。主な治療法としては、症状や心機能に合わせて適切な薬物療法を選択し、生活管理(塩分・水分の管理、体重測定による自己管理、適度な運動、禁煙など)の指導を患者さま一人ひとりに合わせて行います。症状が強い場合や急激に悪化した場合は、専門医療機関での入院治療が必要となることがあるため、早めの受診が大切です。
当院では、心不全の早期発見から治療、再発予防まで、地域のかかりつけ医として継続的にサポートいたします。
心臓の中には4つの部屋があり、それぞれの間に血液の流れを一方向に保つ「弁」があります。これらの弁が正常に開閉しなくなる病気を「心臓弁膜症」といいます。弁が十分に開かず血流が妨げられる状態を「狭窄症」、逆に弁がしっかり閉じず血液が逆流する状態を「閉鎖不全症」と呼びます。代表的なものには、大動脈弁・僧帽弁・三尖弁・肺動脈弁の異常があります。初期は無症状のことも多いですが、進行すると息切れ、むくみ、動悸、疲れやすさ、胸の痛みなどが現れます。原因には加齢による変化、リウマチ熱、先天的異常などがあります。治療は症状や重症度によって異なり、軽症の場合は薬で心臓の負担を減らしながら経過観察を行い、重症ではカテーテル治療や外科的に弁を修復・人工弁に置き換える手術が必要となることもあります。
症状や聴診所見に応じて、血液検査や心エコー図検査、胸部レントゲン検査などを行います。必要に応じて、専門医療機関でカテーテル検査なども行います。
弁膜症の種類や重症度、症状の有無に応じて治療方針を決定します。無症状で軽症の場合は、定期的な検査による経過観察をします。心不全を有する場合は薬物療法を行い、重症の場合は、専門医療機関にて根本治療としてカテーテル治療や外科的手術(弁形成術・弁置換術)を行います。日常生活での注意点としては、塩分を控えた食事や適度な運動、定期的な通院・検査、感染症予防が大切で、当院では生活指導を含めた継続的な管理を行います。
当院では、心臓弁膜症の早期発見から治療、専門医療機関との連携まで、安心してご相談いただける診療体制を整えています。
血液中のコレステロールや中性脂肪の値が高い状態が続くと、血管の内側に脂質がたまり、徐々に血管の壁が厚く硬くなる「動脈硬化」が進行します。動脈硬化が進むと、血流が悪くなり、心筋梗塞・脳梗塞・大動脈瘤などの重大な疾患を引き起こすリスクが高まります。自覚症状はほとんどないため、健康診断での早期発見が重要です。治療は食事・運動療法を基本とし、必要に応じて脂質を下げる薬を使用します。
検査として、血液検査、頸動脈エコー検査、アキレス腱のレントゲン検査などを行います。
治療法としては、生活習慣の改善(脂質・糖質・塩分の管理によるバランスのよい食事、適度な運動、禁煙、適正体重の維持など)を中心に、患者さまのリスクに応じて薬物療法を併用します。
当院では、脂質異常症・動脈硬化の早期発見から治療、医師や管理栄養士による生活習慣指導まで、継続的なサポートを行います。
大動脈瘤は、心臓から全身に血液を送る大動脈の一部が弱くなって膨らむ病気です。多くは無症状のまま進行しますが、破裂すると突然の激しい胸や腹、背中の痛み、ショック状態を引き起こし、命に関わります。
大動脈解離は、大動脈の壁の内側が裂けて血液が入り込み、血管の構造が分離してしまう緊急疾患です。「これまでに経験したことのないほどの激痛」が特徴で、早急な診断と治療が必要です。いずれの疾患も高血圧や動脈硬化が主な原因のため、血圧管理と定期的な検査が予防につながります。
検査法として、血圧測定や血液検査、画像検査(胸部レントゲン検査、エコー検査など)を行い、必要に応じて、CT検査や治療目的に専門医療機関で精密検査を行います。
治療法としては、瘤が小さい(手術適応がない)場合や無症状の場合は、定期的な画像検査と血圧等のリスク因子の厳格な管理、生活習慣の改善を行います。瘤が大きい(手術適応がある)場合や解離を認める場合は、専門医療機関で外科的手術やカテーテルによるステント治療が検討されます。当院では、治療後のフォローや生活指導も行います。
当院では、大動脈瘤・大動脈解離の早期発見から治療、専門医療機関との連携まで、安心して受診いただける体制を整えています。
手や足の動脈が狭窄(細くなる)・閉塞(詰まる)して必要な栄養や酸素を供給できなくなると、手足の冷感やしびれ感、痛みを自覚するようになります。このような状態が閉塞性動脈硬化症であり、その原因である動脈硬化はコレステロールなどの動脈壁への付着や高血圧・喫煙などによる血管への負担により引き起こされます。治療法は、症状の程度(Fontaine分類)により異なります。
| Fontaine分類 | |||
|---|---|---|---|
| Ⅰ度 | Ⅱ度 | Ⅲ度 | Ⅳ度 |
|
冷感・しびれ感 初期には症状を認めませんが、長時間の歩行時に感じるようになります。 |
間欠性跛行 歩くと脚(特にふくらはぎ)が痛くなって歩けなくなりますが、休憩するとまた歩けるようになります。 |
安静時痛 何もしていないとき(安静時)にも痛みを感じます。 |
潰瘍・壊死 足への血流がなくなって、足に治りにくい傷(潰瘍)ができてしまったり、足先が腐ってしまったり(壊死)、下肢を切断せざるを得ないこともあります。 |
症状の程度にかかわらず、禁煙を厳守し、できる限り歩くようにしましょう。血糖や血圧、コレステロールの管理も重要です。
冷感やしびれ感(I度)程度であれば、経過観察します。
間欠性跛行(Ⅱ度)がみられる場合には、生活習慣の改善や薬物療法、運動療法を行います。それでも症状が改善しない場合や、悪化する場合には血行再建術を行うこともあります。
安静時痛(Ⅲ度)や潰瘍・壊死(Ⅳ度)がみられる場合には、除痛および感染による全身状態の悪化を防ぐことを目的に血行再建術を行います。しかしながら、進行例においては血行再建術を行っても十分な血流の再開が得られず、切断に至ることもあります。
足の静脈が拡張し、瘤(こぶ)状に浮き出たり蛇行したりする状態をいいます。足の静脈の血液が心臓に戻るために、歩くことで足の筋肉が収縮し静脈内の血液を押し上げ、さらに静脈弁が逆流しないようにしています。しかしながら、筋肉や静脈弁の機能が低下すると静脈内に血液がたまり、静脈壁への圧力(静脈圧)が上昇すると静脈瘤となります。
下肢静脈瘤の原因としては、加齢や長時間の立ち仕事、妊娠・出産などが発症に関与するとされています。主な症状には、足の血管がこぶのように膨らんで浮き出て見えることのほか、むくみ、痛み、こむら返り、足のだるさ・重さ・疲れやすさ、かゆみや皮膚の変色などがあります。下肢静脈瘤は放置すると症状が進行し、皮膚炎や色素沈着、皮膚潰瘍などを引き起こすことがあります。そのため、早めの受診と適切な治療が大切です。
治療は、症状や静脈瘤の程度に応じて、弾性ストッキングによる保存的治療や、血管内治療などを行います。
循環器疾患の治療は、大きく「生活習慣の改善」、「薬物療法」、「外科的手術やカテーテル治療」の3つに分かれます。
減塩・バランスのとれた食事、適度な運動、減量、禁煙、節酒・禁酒、十分な睡眠が基本です。当院では管理栄養士による食事指導や生活習慣アドバイス、医療用体成分分析装置 Inbodyを用いた管理も行います。体重やBMIだけでは把握できない、部位別の筋肉量や体脂肪量、水分バランスなどを高精度に測定します。その結果をもとに、患者さま一人ひとりに適したアドバイスを行い、治療につなげていきます。当院で導入しているInBodyは、統計的な補正を行わず実測値で評価するため、痩せ型の方から高度肥満の方、浮腫のある方まで、誤差が少ないのが特徴です。現状の評価から治療効果の判定まで、幅広くご活用いただけます。ぜひお気軽にご相談ください。
高血圧、狭心症・心筋梗塞、不整脈、心不全などに対し、降圧薬・抗血小板薬・抗凝固薬・抗不整脈薬・利尿薬などを使用します。患者さまの病状に合わせて最適な薬を選択します。
重症例やカテーテル治療・外科的手術が必要な場合は、連携する高度医療機関をご紹介し、スムーズに治療が受けられるようサポートいたします。急性期や高度医療終了後は、当院にて継続して管理・フォローを行います。
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